絶対に信頼できる医院がないなら矯正すべきではない その理由

私は矯正経験者ですが、「ここは信頼できる、この先生ならお任せしても大丈夫、後悔しない!」とのかなりの確信が得られない限り、矯正はお勧めしません。

実際に矯正を始めたり、矯正経験があるというと「いいなー! 私も気になってる」だとか「今更だけど始めたいんだよね」という話はかなりの人にされてきました。
が、私は以下の理由から簡単に「矯正イイよ、お薦め!」ということはしていません。
というか、できません

これは決して私以外の人にきれいな歯並びを手に入れてほしくないだとか、そういった意地悪な気持ちで言っているのではありません。

矯正経験者がこんな風に考える、その理由を簡単に書いてみました。

 ※この記事は矯正に何の専門的知識も持たない一患者が書いております。
至らず不正確・誤った表現等もあるかと思いますので、あくまで患者の体験記として受け止め、詳細は必ず医師に相談するようお願い致します。

1.歯を動かすと歯根が短くなる

歯は歯茎の下の歯根部分で支えられていますが、矯正装置によって歯を動かすと「歯根吸収」が起きるおそれがあります。

歯根吸収とは文字通り歯の根である歯根部分が短くなってしまうことをいい、これが激しいと歯が抜けやすくなります。

私の矯正を担当した医師によれば「個人差があるが、歯根吸収が激しい人もいる。事前に歯根吸収が起こりやすいかを判断することはできないので、定期的なレントゲンで様子を見ながら進めていくしかない」「一度吸収され短くなった歯根は治せない」とのことでした。

急激に大きな力を加えるなど歯根吸収が起きやすいと言われている行為はあるそうですが、それを避けてもなる人はなってしまう、とのこと。
また、はっきりとわかる程度の状態にはならなくても、歯を動かせばある程度は避けられないことのようです。

時々矯正後に歯並びが崩れて再矯正をしている方がいらっしゃいますが、本人の負担と歯への負担双方を考えて、できる限り一度の矯正で終わらせるべきだなと思いました。

 

2.下手な歯科医に当たってしまうと、歯並びが崩れる可能性がある

いきなり矯正医をけなすような発言で申し訳ありませんが、事実かと思います。

こちらは一般社団法人 日本歯科矯正専門医学会のWebサイトですが、「矯正治療を行って後悔しないためのポイントを専門医がお教えします」とのもとに「NG症例一覧」という患者側にとっては何とも恐ろしすぎるページがあります。

矯正は患者側としては医院を選んだらあとはきちんと通うだけで、できることはほとんどありません(アライナーの装着時間を守るなど、できるのはごく消極的行動のみ)。

要は先生にすべてお任せする形になるわけです。

上記のページには「不適切な抜歯」「診断ミス・治療計画が不十分」など世にも恐ろしい言葉が並んでいます。

矯正医の集団が運営しているWebサイトに、一般向けにこのようなページがある。
きちんと治療をされている先生方には失礼ですが、こういった医師も世の中にはいるということです。
そして矯正医がきちんとした腕のある人かどうかを、矯正どころか歯科の知識がない患者が吟味するのは大変難しいことだと思います。

3.噛み合わせがおかしくなるかもしれない

上記と関連して、歯は歯並び+かみ合わせが重要なところ「歯並びは綺麗になったけれどかみ合わせがおかしい」という方が結構おられます。

かみ合わせがおかしいと頭が重く感じる、肩がこる、不定愁訴、きちんと噛めず顎がゆがむなどの症状が出るようです。

4.ブラックトライアングルのおそれ

特に大人の矯正で起こりやすいのですが、矯正して歯肉が衰えると歯肉と歯の間にブラックトライアングルと呼ばれる黒い隙間ができることがあります。
軽度なら穴の両脇の歯をほんの少し削ることで解消することもできますが、基本的にはどうしようもありません。

審美的にも美しくありませんし、歯肉と歯の間は歯磨き等がしづらく虫歯の原因になりそうで怖いです。

5.歯以外のリスクがあるかもしれない

真偽不明ではあるものの、特に大人の矯正ではほうれい線が深くなる頬のお肉が不自然にそげて適度な顔の丸みがなくなりげっそりする、鼻の下の部分が伸びて顔の印象が変わるなどが矯正経験者の間でリスクとして言われています。

 実際に矯正によって起こる現象なのかはわかりませんが、矯正治療の専門家ではない私には判断がつかないため、否定することもできません。